石川県加賀市の美容院と住宅です。
独立・開業にあたって
ご実家から(本当に)スープの冷めない距離にある
コンパクトな敷地を手に入れられたところから
お店+家づくりが始まりました。
プライベートでも、独立のタイミングだった
女性オーナー。
最初は自分たちが住んで
家族が増えたら、次は実家にお住まいのお母さんが、という長期計画から
最初にでてきたキーワードが「別荘のようなくらし」。
「暮らしの家族構成を変化させることで
つねに視点を更新しながら、心地よくくらす」意味だと解釈し
お店と住宅を切り離さず
個性の違う2つの場所が接するからこそ生まれる、快適さを探究しました。
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店舗付き住宅は、一般的に
プライベートを見せないよう、切り離してつくります。
ですが、将来あるだろう子育てをイメージすると
公私が重なる部分を手放すことは
プラスには働かないように感じられました。
小商い継続の大前提は
前向きな公私混同。
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敷地は、道路の向こうに柿の木のある
大きな切り欠きの変形角地。
車の高さをかわせば
東からの朝日がふりそそぎ
牧歌的な風景が広がります。
でも、住宅とお店のどちらにも
めいめい開口をつくるのは、不経済。
だったら開口を共有して
その風景を接点にするというのは?
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お店と住宅のどちらにも近すぎない
適切な距離を保つ工夫さえあれば。
そこで出てきたのが、
室内テラスのアイディアです。
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![](https://www.3--lab.com/wp-content/uploads/2022/04/ozm0023.jpg)
冬に低い空の時期が長い北陸では、サンルーム的な場所が重宝します。
そこで、大きな切り欠きのある変形敷地を活かすため
道路の切り欠きのある敷地におさまりの良い、五角形のサロンをつくり
威圧的にならないボリュームで吹き抜けとしました。
そこに、お店から直接住宅が見えることがないよう
庇のような室内テラスをつくったというわけです。
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「美容室というより
近所の方がふらっと入って話ができる場所にしたい」というご要望から
着付け用の和室を、天井の低い、サロンの浮島のようなしつらいにして
住宅とのもうひとつの接点をつくっています。
実際、お子さん出産後、退院されたばかりの頃には
この畳の部屋で過ごされたとのこと。
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この住宅を気に入ってくださったことから
後にご実家も設計することになり
室内テラス、背の高いサンルームのような空間、
土間+腰をかけられる和室といったアイディアが
引きつがれていきます。
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生活も仕事もすべて「くらし」。
さまざまな世代のさまざまな視点が日々交換されるからこそ
日々の暮らしが更新され、心地よさに成長するという
私達の軸を見つけた仕事です。
所在地:石川県加賀市
用途:住宅・店舗/新築
規模:木造二階建
延床面積:138.7㎡(42.0坪)
設計:吉田裕枝・小谷友樹/ミラボ
構造:S3 Associates
施工:道場建設(株)
植栽:田中美穂植物店
竣工:2012.3.
写真:池田ひらく(*はミラボ)