光土間の家

2012年石川県加賀市に完成した
美容室+住宅のオーナーご実家の建て替えです。
ふたたび私たちがお手伝いすることになりました。

一軒目の美容室+住宅完成後に誕生したお子さんたちが成長され
行き来されるようになったので
ご実家を更新して、改めて三世代のくらしを考えたいというお話でした。

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すぐ西側の動橋川沿いに、桜並木がありながら
夏の西日を避けるよう、西に閉じていた旧家。

動橋川に開いていた唯一の場所は、既製サンルームだけでしたが
全面が透明のの物干しスペースは、夏熱く冬寒く
雨漏りもしていて、うまく使われていない状況でした。

全体のプランとしては
玄関や客間、リビング・ダイニング・キッチンなどが北側に配され
廊下で細切れになった諸室には、光と風が十分にまわっていませんでした。

動橋川の桜並木に面した西側
周辺とのバランスからおさえた北側。一層のようですが、横長の窓は二階寝室のもの。

冬が長く厳しい北陸の家に、玄関の風除室は欠かせません。

曇天が続くと、とかく憂鬱な気分になりがちな北陸・加賀で
高い空の下のような、軽やかで暖かな縁側のような場所ができれば。

そこで、動橋川沿いにのびる敷地の長さを生かして
いったん西日から切り離しつつ(夏は外部にシェードがつけられます)
西に開くことのできるバッファーゾーンとしての
光の土間をつくることになりました。

スロープのある土間の先が、リビング。 空気層は一旦区切り、視線はそのまま。
リビングには三角形の吹き抜けがあり、南からの光で満たされます
動橋川沿いの並木が西から南の開口に連続して見えます
土間の東側にあるキッチンからがベストポイント

土間とリビングをつなぐ、台形と三角の2つの吹き抜け。

川への近さ、湿気の問題から、高めに設定された床レベルでも
するするっとあがれるスロープ。

ご近所の方が、ちょっと腰をかけられるような玄関框。

壁には、加賀に近い北陸・福井の和紙を貼り
床には、十分に厚みのあるフローリングを使うことで
湿気の多い北陸にふさわしい、木と紙でできた住まいとしました。

内覧会に訪ねてこられたご近所のお友達とひいおばあちゃん(*)
土間から西側に直接外に出ることもできます(*)
ロフト下は木陰のような場所に(*)

敷地に置かれればコンパクトでありながら
動橋川へのながめ、光と風、動線など、内部の体験を最大化する光の土間。

光の土間を通して、それぞれが時に応じて
周囲の環境や家族とのつながりを自由に選択できる
そんな住まいの形を目指しました。

北側の緑が鮮やかな二階の寝室(*)
天井なりに屋根裏の雰囲気でぐっと高さをおさえて(*)
冬場にはサンルームのようなロフト
寝室とつながるブリッジから
光土間の家

所在地:石川県加賀市
用途:住宅/新築
規模:木造二階建
延床面積:180.86㎡(54.8坪)
設計:吉田裕枝・小谷友樹/ミラボ
構造:高橋俊也/高橋俊也構造設計
施工:道場建設(株)
植栽:田中美穂植物店
竣工:2017.6.
写真:fotochihiro(*はミラボ)