京都「文化的」景観案内

The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes,
but in having new eyes.

真に発見のある旅とは、新しい景色を求めることではない。
新しい見方を手に入れることだ。

– Marcel Proust originally from La Prisonnière

吉田裕枝の京都の私的「文化的」景観をインスタグラムでご紹介しています。

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[#UXD(User Experience Design) in Heian primitive Buddhism]Jingoji 神護寺 : : Jingo-ji (ji=temple), Saimyo-ji, Kozan-ji are 3 temples located on the 3 ridges in the north-western Kyoto. Three of them are close to crystal-clear Kiyotaki (pure waterfall) River and it’s enjoyable to hike finding the new green on the maple trees listening to the sound of waterfall-like river.: : Jingo-ji was originally established in 781. In 809 Kukai, a founder monk of the Esoteric Shingon or ‘mantra’ school of Buddhism moved to live here after returning from his study in China to develop his magical rituals here. Both Kukai's Shingon and Saicho’s Tendai are called Heian primitive Buddhism that are more fundamental than the following sects. Thus the setting of the temple was critical. The temples are places for practice not to present religious ideas by gardens. Accordingly many of them are located deep in the mountains for salvation and enlightenment. They really are charming but not tourist-friendly unlike Zen temples developed after the Medieval ages. : : That being said, Jingo-ji temple is entertaining enough to offer ‘Kawarake’ throw. Kawarake is a small clay disc that you can throw from top of the temple wishing for your good luck. (A set of 3 for 2 USD). The origin of this frisbee-like ritual is as old as of the temple since 824. The unglazed discs originally used as disposable Sake cups could have been thrown by an accident. Anyways, you will find yourself to see this incredible surrounding clearer through your own experience. Seeing is believing. True words (=shingon) always lie in experiences. : : #kyotojapan #takao #高雄 #jingoji #神護寺 #shingon #真言宗 #kukai #空海 #kyotoguide #kyototour #kyototrip #discoverkyoto #visitkyoto #explorekyoto #hiddenkyoto #historickyoto #instakyoto #kyotogram #kyotowalk #kyotohiddengems #kyototemple #japantrip

Hiroe Yoshida(@cultural_landscapes_kyoto)がシェアした投稿 –

京都の地形と文化との関係がそこはかとなく感じられる
素敵な場所の素敵な部分を掘り下げて
英語での読み切りエッセイに仕立ててあります。*英語はネイティブチェックなしのざっくりとしたものです。

結果、寺社多めで、あまり人の行かないところが多いかもしれません。

このインスタグラムは元々、自らセレクトする「文化的」景観の紹介プロジェクト
‘CULTURE loves LANDSCAPES’ のリサーチ備忘録として始めたのですが、
日本人の方にもガイドブックとして、あるいは英語でのお友達案内のお供に等、
広く使っていただけるかも、と思ったことから、
こちらでも紹介することにしました。

ご存知の場所であっても
英語圏の人を意識して書かれた文章が添えられると、違う印象を持たれるかもしれません。
外からのフィルターで見直すと、はっとすることってあります。
これに関しては後半で改めまして。

目次

文化的景観を未来につなぐために

文化的景観とは、文化財や文化遺産の新しい概念で、
地形や風土と人々の暮らしとの間の見えない関係性が、
具体的に目の前にあらわれているのが景色なんだという、
鶏と卵の関係を逆さにしたような景観の認識法です。

私たちがある景観を美しいと思うのは、
建物がきれい、自然がきれい、といった部分的な評価ではなく、
そこに暮らす人の生活、歴史、風土を全部引っくるめて、
あぁいいなと感じられている現象を説明する概念でもあります。

いずれも、文化的景観と名前がつけられることで、
世界中から関心が寄せられるようになり、
アイデンティティを保つために、なくてはならない文化だと言われるまでになってきました。

そして、文化的景観を次世代に継承しようとする人達が、
世界中至るところで活動を始めるようになった訳です。

重要文化的景観「高島市針江・霜降の水辺景観」(滋賀県)

ところが、そこに生きる住民の生活あっての文化的景観の未来を考えると、
これまでの建築物の文化財保全のように、
できるだけオリジナルの姿に忠実に、凍結して維持するのが最善、とはいかないところに、
文化的景観保全の難しさがあります。

そこで、こうした生きた文化的景観を、バランスをとりながら未来につなげるお手伝いを、
自らのライフワークとすることにしました。

Cultural Literacy(文化の見方)なしでは理解できていない

ときに、京都が、オーバーツーリズムで大変なことになっていたことは、
皆さんも記憶に新しいことと思います。

在20年あまり。大好きな京都にも文化的景観はあります。
いや、認定を受けた文化的景観以外にも、
命の洗濯にぴったりな、とっておきのマイ「文化的」景観はいくつもある。

でも、観光客は判を押したように、同じところばっかりに集まる。
どうしてなんだろう。
そこで考えました。

Cultural Literacy = 文化の見方 とは、E.D.Hirsch Jr.が1987年に刊行した本のタイトルで、
物事の読解には理解力にも増して、
言葉の背景的知識が必要だと
気づいたことから生まれた概念です。

つまり、ある言葉とセットに、その言葉の背景にある知識を持ち合わせていないと、
真のコミュニケーションは生まれないということ。

人は生まれ育った文化でのCultural Literacyは十分に身に付いているものの
新しい文化に足を踏み入れるとき、その文化のCultural Literacyがないと、
うまく理解できないのです。

一方で、インバウンド客がCultural Literacyを持ち合わせていないにも関わらず、
「何をみるか」の情報だけが溢れかえっている現状が、
オーバーツーリズムの根本原因ではないかと考えました。

「何をみるか」ではなく「どうみるか」。
本当に求められているのは、ものの見方だと考えた訳です。

そこで、目下、’CULTURE loves LANDSCAPES’ というプロジェクトを準備中。

‘CULTURE loves LANDSCAPES’ では、’Good morning Kyoto’ として、
テーマに沿ったとっておきの「文化的」景観を数珠つなぎに、
朝の散歩ツアーの形で、ご紹介する予定です。

だれのためのCultural Literacy(文化の見方)?

ここで冒頭に引用した一文に戻って。
旅の目的は「何をみるか」ではなくて、「どうみるか」。

今回の新コロナウィルスの自主隔離生活で、自分自身が遠出しなくなり、改めて痛感しました。
旅の目的は、遠くに行くことではないんだと。

地元であっても、新しい見方さえ手に入れられれば、
遠くに行くのと同じ、いやそれ以上の未知の世界が広がることもある。
灯台もと暗し。

学生時代にボランティアで外国人観光客を案内したこと6年。
その後、2018年から1年半、フードツアー会社で英語ガイドを務める他、
ツアーデザインや、ガイドコーチングも担当しました。

そこで分かったことは、
ある景観を深く掘り下げて、他の文化の人に紹介すると
自分のCultural Literacyが一番、アップデートされるということ。

ツアーデザインにもちょっとしたコツがあり、
歩ける範囲で3箇所くらいの場所をつないでやると、
不思議とその場所の魅力が浮かび上がってくるのが面白いところです。

…「文化的」景観のコレクション、ちょっと面白いのかも?と
少しでも心が動いたなら
あなたの旅はもう始まっています。

ありきたりだと思っていた目の前の風景が、突然キラキラ輝き出す瞬間を、
ぜひ体感してみてください。

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