光土間の家

冬の空が重い北陸加賀で
「西日」を味方にした三世代の住まい

2012年に石川県加賀市に設計した
美容室と住宅のオーナーである娘さんのご実家を
ふたたび私たちがお手伝いすることになりました。

完成から数年が経ち、お子さんたちが誕生され
スープの冷めない距離にある、おばあちゃんとひいおばあちゃんの住む家を
行き来されるようにもなりました。

三世代の住まい方が新しい段階に入ったことから
ご実家のあり方も更新したいというお話でした。

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敷地の西側には動橋川が流れ
春には桜が、秋には赤い曼珠沙華が一面に咲き誇ります。

ただ、夏の西日を避けるため
並木側に閉じたつくりになっていました。

唯一桜が見えるのは、物干し用の既製品サンルーム。
ここから川沿いの桜を眺めるのが楽しみだった、ひいおばあちゃん。

そのサンルームも雨漏りがあったりで、うまく使えていなかったため
リフォームも視野に入れて検討した結果、建て替えすることになりました。

冬が長く厳しい北陸の家に、玄関の風除室は欠かせません。

そこで、動橋川沿いの西側に風除室を持ってくることで
並木のある風景を視覚的につなげながら
光をめぐらせ、各室に送り届ける土間をデザインすることにしました。

個室のある二階には北陸・福井の和紙を貼っています。
湿気を調節する、木と紙でできた家です。

旧家のサンルームにあった、ひいおばあちゃんのお花見用のソファーをヒントに
腰かけられるようにした光の土間。

冬に憂鬱な曇天が続いても
高い空を見渡せる、縁側のような場所になりました。

所在地:石川県加賀市
用途:住宅/新築
規模:木造二階建
延床面積:180.86m2(54.8坪)
設計:吉田裕枝・小谷友樹/ミラボ
構造:高橋俊也/高橋俊也構造設計
施工:道場建設(株)
竣工:2017.6.
写真:fotochihiro(一部ミラボ)